1645人が本棚に入れています
本棚に追加
「本当に驚いたわ。田上さんが凪子と知り合いだったなんて。」
電話を掛けた翌日が休みだった私は、本店近くの駅ビルのパスタ店で、バイヤーの風間さんと少し遅い昼食を取っていた。
「…私も、驚く事ばかりで。すみません。風間さんなら、って。」
「…いいのよ。」
食後のエスプレッソを飲みながら、風間さんは少し哀しそうに微笑んだ。
「昨日田上さんからの電話の後で思い出したの。何故か支店の新入社員の女の子が慕ってくれて嬉しいって、凪子が言ってた事。…田上さんだったのね。」
多分、そうだろうと思い、私は肯いた。
大好きで、私の憧れだった凪子さん。
迷惑じゃなかったんだ、と今更ながらホッとする。
「凪子は田上さんの入社の時の合宿研修のインストラクターだったのね?」
「はい。」
・
最初のコメントを投稿しよう!