10 温かい場所

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風間さんに会いに行った翌日から、カレンダーは12月に変わった。 私は自分で思っているよりショックを受けていたらしく、気持ちのコントロールが上手く出来ずにここ数日を過ごしていた。 私の中では少し近くなりすぎていた課長との距離を、自然に上司と部下のそれに戻そうと思っていたのに。 「おはようございます。」 「ああ、おはよう、田上。」 いつもと同じ様にしているつもりでも、やはり違う、私の気持ちが。 課長の笑顔に重なるひとつの面影。 心がギュッと痛くなって、余裕が無かった私は、ふと課長と合った視線を あからさまに外してしまった。 慌てて戻した視線の先には、課長の怪訝な表情。 それが何度か繰り返され、私は課長の話を視線を伏せて聞くようになった。 私にも、少し時間が必要なのかも知れない。 もちろん仕事はきちんとしているつもりだ。 特にお客様の前では絶対にプライベートの負の感情を出してはいけない。 「プロだからね。」 これも凪子さんがよく言っていた事。 先輩との事で落ち込んでいた時も、この言葉が職場での私をシャンとさせてくれた。 ・
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