10 温かい場所

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「お疲れ様です。」 軽く挨拶をして…多分3分位待ち、課長たちが話を始めたのを見計らって私は席を立った。 「お先に失礼します。」 「まだ早いだろ?」 声をかける北島に、「ちょっと買い物。」と隣にも聞こえる声で答えて背を向けた。 「じゃ、そういうことで、月曜日までに提出して。」 「はい、分かりました。」 閉店後、課長とベビー用品の高橋さんと私の三人での軽い打ち合わせ。 書類を受け取り目を通して自分のファイルに入れた。 販売計画と数字の見直しにちょっとため息。 家族がいる高橋さんはその後、直ぐに帰って行き、私も帰り支度を始めた。 「田上。」 「はい。」 手元を動かしながら返事をする。 「何かあったのか?」 「はい…?」 流石にずっと俯いているわけにはいかず、課長の方に向き直る。 「…最近、元気ないというか、様子がいつもと違うから。」 心配されて申し訳なくて、ここは笑って答えたくて。 「特に何も無いですよ。少し忙しかったから疲れたのかもしれません。」 ・
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