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「お疲れ様です。」
軽く挨拶をして…多分3分位待ち、課長たちが話を始めたのを見計らって私は席を立った。
「お先に失礼します。」
「まだ早いだろ?」
声をかける北島に、「ちょっと買い物。」と隣にも聞こえる声で答えて背を向けた。
「じゃ、そういうことで、月曜日までに提出して。」
「はい、分かりました。」
閉店後、課長とベビー用品の高橋さんと私の三人での軽い打ち合わせ。
書類を受け取り目を通して自分のファイルに入れた。
販売計画と数字の見直しにちょっとため息。
家族がいる高橋さんはその後、直ぐに帰って行き、私も帰り支度を始めた。
「田上。」
「はい。」
手元を動かしながら返事をする。
「何かあったのか?」
「はい…?」
流石にずっと俯いているわけにはいかず、課長の方に向き直る。
「…最近、元気ないというか、様子がいつもと違うから。」
心配されて申し訳なくて、ここは笑って答えたくて。
「特に何も無いですよ。少し忙しかったから疲れたのかもしれません。」
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