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また…心配されてしまう自分に苦笑い。
何も無いとは言えないけれど、想さんに話せる事では無くて。
「寒くて…。こっちは雪は降ってないですけど、風が泣きたい位冷たかったので、ちょっとヘコんでました。でも、想さんの声聞いて、何だかホッとしました。」
「…本当に?」
「はい。」
「それなら、僕も嬉しいです。」
少し照れたような声に、その表情が思い浮かぶ。
「…鈴さん。」
「あ、はい。」
「もう遅い時間ですし、切りますね。暖かくして休んで下さい。」
「…はい、想さんも。」
「……」
「想さん?」
「…声を聞いたら、今度は顔が見たくなりました。」
「えっ、」
「2、3日でそちらに帰ります。…では、おやすみなさい。」
「あ、はい。おやすみなさい。」
切れた電話をパタンと畳んで、サイドテーブルに置く。
……えっと。
多分、顔が赤いと思う。
ゆるゆるとベッドから出てキッチンへ。
…ご飯、食べようかな。
昨日作ったカレーを火にかけて温める。
昨日は味気なくただ口に運んだだけだけれど、何だか今は美味しく食べられそうな気がした。
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