10 温かい場所

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また…心配されてしまう自分に苦笑い。 何も無いとは言えないけれど、想さんに話せる事では無くて。 「寒くて…。こっちは雪は降ってないですけど、風が泣きたい位冷たかったので、ちょっとヘコんでました。でも、想さんの声聞いて、何だかホッとしました。」 「…本当に?」 「はい。」 「それなら、僕も嬉しいです。」 少し照れたような声に、その表情が思い浮かぶ。 「…鈴さん。」 「あ、はい。」 「もう遅い時間ですし、切りますね。暖かくして休んで下さい。」 「…はい、想さんも。」 「……」 「想さん?」 「…声を聞いたら、今度は顔が見たくなりました。」 「えっ、」 「2、3日でそちらに帰ります。…では、おやすみなさい。」 「あ、はい。おやすみなさい。」 切れた電話をパタンと畳んで、サイドテーブルに置く。 ……えっと。 多分、顔が赤いと思う。 ゆるゆるとベッドから出てキッチンへ。 …ご飯、食べようかな。 昨日作ったカレーを火にかけて温める。 昨日は味気なくただ口に運んだだけだけれど、何だか今は美味しく食べられそうな気がした。 ・
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