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少し頑張って一人前食べたカレーはちゃんとカレーの味がした。
食器を洗って片付けてからお風呂に入る。
「…ふぅ」
湯船に浸かると相当冷えていたらしい足先がピリピリと痛い。
…不思議だなと思う。
一本の電話が食欲不振に効力を発したのは何故なんだろう。
気分転換になったから?
それとも相手が想さんだからだろうか。
私の勘違いでなければ、想さんは確かに近付いて来ていて、
課長とは何も始まった訳では無いのに、凪子さんの事を知って1人でジタバタしている私は、想さんに癒やされ…
ううん、癒された、なんてちょっと上から目線に感じる言葉は使いたくなくて。
想さんは…。
『まず鈴先輩が幸せになればいいんだと思います…』
いつかの菜々子ちゃんの言葉がふと頭を過ぎる。
だけど、そもそも私の幸せって何だろう。
そんな事言ったら、頭で考えすぎだって、また菜々子ちゃんに笑われそうだけど。
お風呂から出て、ドライヤーで髪を乾かす。
「伸びたな…」
相変わらず真っ黒でただ真っ直ぐな髪。
こんな髪が欲しかったと言った想さん。
私の声が聞きたいと、顔が見たいと、言ってくれる人。
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