10 温かい場所

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でも……ピリピリの原因は、多分私なんだ。 どんな顔をしたのか自分でもわからないけれど、私から目を逸らした課長が慌てて言葉を次いだ 「…いや、いいんだ。すまない。私情が入り過ぎた。」 …課長の私情。もしそうなら、 もっと私が近づいてもいいと思ってくれてるなら、 …嬉しい。本当は。 だけど。 私、何をやっているんだろう。 課長をイライラさせたり、こんな顔をさせるために距離を置こうとしたわけじゃないのに。 「とにかく、俺のせいだったら…」 「違いますよ。課長のせいじゃありません。」 課長がじっと見るから、何でもない様に笑って。 凪子さんの事を知る前みたいに。 「そう思われたのなら、私の態度が悪かったんだと思います。ちょっと最近、余裕がなかったから…。」 「…そうなのか?」 「はい。」 ほっとしたように表情を緩める課長に私もほっとする。 「…でも、余裕がないなんて、どうしたんだ?この前、昼飯も残してただろう。仕事の事とかだったら、話、聞けるから。」 優しい眼差しだな、と思う。 今の私にはちょっとキツいな、とも思う。 ・
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