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でも……ピリピリの原因は、多分私なんだ。
どんな顔をしたのか自分でもわからないけれど、私から目を逸らした課長が慌てて言葉を次いだ
「…いや、いいんだ。すまない。私情が入り過ぎた。」
…課長の私情。もしそうなら、
もっと私が近づいてもいいと思ってくれてるなら、
…嬉しい。本当は。
だけど。
私、何をやっているんだろう。
課長をイライラさせたり、こんな顔をさせるために距離を置こうとしたわけじゃないのに。
「とにかく、俺のせいだったら…」
「違いますよ。課長のせいじゃありません。」
課長がじっと見るから、何でもない様に笑って。
凪子さんの事を知る前みたいに。
「そう思われたのなら、私の態度が悪かったんだと思います。ちょっと最近、余裕がなかったから…。」
「…そうなのか?」
「はい。」
ほっとしたように表情を緩める課長に私もほっとする。
「…でも、余裕がないなんて、どうしたんだ?この前、昼飯も残してただろう。仕事の事とかだったら、話、聞けるから。」
優しい眼差しだな、と思う。
今の私にはちょっとキツいな、とも思う。
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