11 目を閉じる

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そして 『ゴメン、鈴。 実は明日の夜、私たちは行かないの。 想さんの話、聞いて欲しくて、鈴が勘違いしてるの分かってたけど言えなくて。 でも、やっぱり、騙してるみたいでイヤで。 これを知ってどうするかは鈴次第だからね。 本当にごめんね。』 昨日届いた笙子からのメール。 そっか。 話があるって想さんは言っていたけど、少なくても最初は笙子たちもいるんだと勝手に思ってた。 食事行くのもいつも一緒だったから。 『分かった。ありがと。』 それだけ返信して。 今私は、いつもよりお洒落して、手土産のワインとチーズの包みを抱えて、想さんの部屋のドアの前に立っている。 この間の事もあるせいか、すごくドキドキして、ドアのチャイムのボタンを押す指先が緊張してる。 「はい。」 想さんの声がして、ゆっくりとドアが開いた。 「…こんばんは。」 「いらっしゃい、鈴さん。」 いつもと変わらない想さんの笑顔にほっとする。 「…おじゃま、します。」 ・
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