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「ワインはまた次の機会に改めて頂きますね。」
明日も仕事だからと言う私に合わせて、ふたりでノンアルコールのドリンクで乾杯をして食事をした。
想さんは申し訳なさそうにしていたけれど、デリバリーと言ってもすごく美味しくて、きっとかなり高級なお店のもののような気がする。
福井のメガネ工房の様子などを聞かせて貰いながら楽しい時間は過ぎて。
私も手伝って食事の片付けをして、今は想さんがコーヒーを入れてくれていた。
大通りに面しているリビングの窓辺に立つと、街路樹に飾られたイルミネーションがとても綺麗に見える。
「なかなか良い眺めでしょう?」
初めてのこの角度からの景色に見とれていると、すぐ後ろから想さんの声がした。
長い腕を私の頭の横から伸ばして窓枠に手を着いた想さんも外を眺める。
………えっと
「すごく、綺麗、ですね。」
「そうですね。…コーヒー、入りましたよ。」
長い指の綺麗な手が視界からすっと消えて、振り向くと、想さんが向かったソファの前のローテーブルにはコーヒーとケーキがすでに置かれていた。
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