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当然、想さんへの返事もまだで…。
けれど忙しい毎日の中で、想さんとのメールのやり取りは楽しく、電話のその声は疲れた体に柔らかく染み込んできた。
今も背中に感じる手の存在にドキドキしながらも優しさを感じてる。
メグちゃんの後に付いて壁際に区切られているテーブル席の一つを覗き込むと、奥の方に座った菜々子ちゃんはメールを打っている所だった。
「あ、鈴先輩。藤野さんも。…ちょっと待ってくださいね。」
何かを思いついた顔をした菜々子ちゃんは、すごい速さで指を動かしてメールを打った後、はぁっと息を吐いた。
「すみません。
…今日はお二人ですか?」
ニヤッとしながら私を見る菜々子ちゃん。
「うん。」
照れくさくて顔が熱くなる私を余所に、菜々子ちゃんは想さんに声をかけた。
「藤野さん、良かったらご一緒しませんか?あ、でも、やっぱりお二人の邪魔したらいけないかな?」
「菜々子ちゃん。」
「いいですよ。ね、鈴さん。」
「あ、はい、私は。」
「わ、嬉しい。」
「僕も鈴さんのお友達と仲良くなりたいので嬉しいです。」
にっこりと言う想さんに、「どっ、どうぞっ」とメグちゃんが席を空けてくれて、私たちは菜々子ちゃんたちの向かいに並んで座った。
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