2 その日

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「…なぁ、飲みに行かないか?」 突然の誘いに驚いて北島の顔を見ると、やっぱり不機嫌そうな表情のまま。 「あ~、私は今日は6時上がりで用事があるからダメなんだけど…」 「あ、いや、今日じゃなくてもいいんだけどさ。」 「そう?じゃ、いつものメンバーに声かけて日にち決めよ。」 何年か前から同期や同じ売り場などで気の合う人が自然と集まり、飲み会のメンバーは大体決まっていた。 「あ、ああ、そうだな…。」 「じゃあ、先に戻るね。頑張って仕事終わらせなきゃ。」 「6時に上がれそうなのか?」 「ん、今日は人数足りてるし、菜々子ちゃんがいるから。」 「ああ、日吉か。」 「うん、私なんかよりずっとしっかりしてるからね。」 あ、私なんか…って言うとまた課長に注意されちゃうかな? あれから顔合わせてないけど…。 「…田上?」 「あ、じゃあ行くね。」 席を立った私の顔をじっと目で追っていた北島は軽く手を上げて笑顔を見せた。 ・
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