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明るいメグちゃんは友達も多いから情報通で、ちょっぴり噂好き。
でも課長のあの話はあれから誰にも言っていないようで、真剣に課長の事を想っているのがよく分かる。
私の顔が相当変だったのか、想さんも北島も慌てて謝ってきて。
「ごめんなさい、鈴さん。」
「悪い、田上。」
一応頷いたけれど。
「…藤野さんも、すみません。俺、ちょっと焦ってしまって。」
「…はい。」
「…まぁ、これからよろしくお願いします。」
「こちらこそ。」
そう言ってニッコリ笑う二人にため息。
「贅沢な悩みだな、田上。」
「課長まで止めて下さい。」
私の不機嫌な声に課長は笑った。
それからはそれまでが嘘のように和やかに場は進んで、今は男三人が集まって仕事や経済の話に花を咲かせている。
それを眺めて飲んでいる女三人、なのだけれど、ふと周りを見れば。
「…ねぇ、女の子のお客さん多くない?」
「ですよね?」
いつの間にか空いていた店内の席は埋まっていた。
私と菜々子ちゃんの疑問にメグちゃんが、
「誰かが呟いたのかもしれないですね。それかメールで情報流したか。」
と、ちょうど手に持っていたスマホをひらひらとさせながら視線を隣の三人へ。
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