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「あぁ、ありえるね。居酒屋にイケメン、それも三人纏めて。鑑賞しに来るかも。」
菜々子ちゃんは頷くけれど、疎い私にはピンとこない。
「ホントに?ここ来て2時間ちょっとだよね?」
「そういう時代なんですよ、鈴先輩。」
二人に笑われた。
でも、確かにこの三人のオトコたちは…目を惹くよね。
今日の北島はK-POPの歌手みたいな髪型で見た目甘い雰囲気。
課長はすっきりとした額ときりっとした眉が印象的。腕組みをして頷く姿がとても大人。
想さんの綺麗な横顔は、男同士で仕事の話をしているからかすごくクールで、甘さ控えめ…
かと思ったら、じっと見ていた私の視線に気付いて、ニッコリと微笑んで「何?」というような表情をしたから、近くのテーブルの女の子が「きゃぁ」と小さく声を上げた。
その反応が、ちょっと、イヤだ。
目立ち過ぎるよ、想さん。
コートで隠したい…、なんて。
そんな風に思った自分に驚いて、慌てて目を逸らす。
「…鈴さん?」
柔らかな声が名前を呼ぶ。
「…酔いましたか?頬が赤いですよ。」
その言葉に課長が腕時計に目を落とした。
「ああ、もう10時半か…。そろそろ帰るか?」
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