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翌日休みなのはメグちゃんだけだったので、課長の言葉でみんな帰る事にした。
お代は男性三人で払ってくれたので、お礼を言って外に出ると、北風が火照った頬を冷やすように吹き付けてくる。
「うわ、寒~い。」
メグちゃんはそう言いながらツツっと課長に寄り添った。
駅のロータリーまで一団で歩く。
「じゃあ、私はメグと一緒にタクシーで帰りますね。」
と菜々子ちゃんは結構酔っているメグちゃんの腕を引いた。
「俺はまだ電車あるから。田上は?」
北島に聞かれて、そんなに酔っていない私も電車で帰ろうかと思った時、
「僕が送っていきます。」 と言ってくれた想さんを課長が制した。
「いや、田上は俺が。方向が一緒だからタクシーで途中で降ろしていくよ。」
「えっ」
そういえば確か課長の家、マンションらしいが、は、駅にすると私の降りる駅の二つ先になると聞いていた。
「あ…」
思わず想さんの顔を仰ぐと、少し笑って頷いてくれた。
「…じゃあ、お願いします。」
「ああ。行こう。藤野さん、今度は磐田店長も一緒に飲みましょう。」
「はい、ぜひ。…鈴さん、また連絡します。」
「はい。」
そしてそれぞれ「おやすみなさい」「お疲れ様でした」などの挨拶を交わして、客待ちしていたタクシーに乗り込んだ。
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