13 雪肌

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とりあえず壊れたメガネはハンカチに包んでそっとポケットに入れて、必要な商品を探す。 「あ~、やっぱり見難いなぁ」 ちょっぴりグチりながら見つけた商品を売り場に持って行く。 「ごめん、品出しお願い出来る?ちょっと事務所に行ってくるね。」 「はい。あれ、主任、メガネ…」 「ちょっと壊れちゃって。」 そう答えて事務所へ急ぐ。 今、5時半。 机の上でハンカチを広げて壊れたメガネを見つめる。 こんな時に限って、予備のメガネを持ってきていない。 …電話してみようかな? ボタンを押して呼び出し音を聞きながら、何だかすごくドキドキする。 『…もしもし、鈴さん?』 あ、出た。 「…はい。すみません、想さん、お仕事中に。今、大丈夫ですか?」 『はい。鈴さんもお仕事でしょう?』 「はい、そうなんですけど、実は…」 手短にメガネが壊れた旨を伝える。 「それで、直していただきたいと思って。帰りにお店に寄りたいのですが、7時半は過ぎて……」 そこまで話した時、事務所に課長が入ってきた。 『鈴さん?』 途切れた言葉に、想さんの気遣うような声。 「あ、ごめんなさい。7時半過ぎてしまうと思うのですが、大丈夫でしょうか?」 課長の目が机の上のメガネに気付いて「ん?」という表情になり、次に私の顔を見た。 ・
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