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「こんにちは。」
いつもの優しい笑顔の想さんを見上げる。
「こんにちは。珍しいですね。っていうか、想さんがここに来たの初めてですよね?」
「そうですね。店長に用事を頼まれて…」
そう言って脇に抱えていた文具売場の袋を手にして見せた。
「ちょうど鈴さんにもお伝えしたい事があったので寄ってみました。」
「…あ、あの主任、どちら様ですか?」
菜々子ちゃんがまだ半分固まったままでおずおずと訊いてきた。
「あ、こちら行きつけのメガネ屋さんの、あ、駅前のルックメガネさんなんだけど。の店員さんで、藤野想さん。」
「こんにちは。藤野です。」
菜々子ちゃんの顔がパーッと真っ赤になる。
「あ、初めましてっ。田上主任の後輩の日吉菜々子です。」
菜々子ちゃんの反応はいたって普通だと思う。
だって想さんは… 一言で言うとファッション雑誌から抜け出して来たモデルみたいだから。それも外人さんの。
180㎝超えの身長、白い肌、天然のウェーブがかかった暗めの金髪を今日は後ろで緩く結んでる。
フレームレスのメガネの奥、綺麗な二重瞼の目は少しだけ垂れ気味で、瞳はよく見ると深い緑色。
お店の制服の白いシャツと黒の細身のズボンに羽織った、少し丈が長めのオータムジャケットが似合ってる。
だからまわりの視線を集める。…想さん本人がそれを好まなくても。
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