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その後は淡々と、メガネの調整をする想さん。
その間、時折足立さんが私に話しかけてくる。
「田上さん、お仕事は何をされてるんですか?」
「このすぐ近くのデパートで働いています。」
「メガネはいつもこのお店で?」
「はい、就職してからずっとお世話になってます。」
「それはありがとうございます。」
「いいえ。いつも親切にしていただいてます。」
「お年を伺ったら失礼でしょうか?」
「…今27です。」
「私より一つ上ですね。」
…笑顔で対応。
本当はちょっとイラッときているけど。
大丈夫。
理由は分かる気がするから。
「足立さん。お客様に失礼ですよ。」
「あっ、すみません、室長。」
「鈴さん、…これでどうですか?」
想さんがすっとかけてくれたそれは違和感なく。
「あ、いい感じです。これで大丈夫だと思います。」
ではきれいに洗いますね、と想さんがカウンターの奥に入った時、また足立さんが話しかけてきた。
「あの、田上さんは室長と親しい関係なんですか?…お客様なのに名前で呼び合ってるのは何故ですか?」
少しずつ感情的になってきている声。
「…それは。あの、足立さん、それはお答えしなければいけない事でしょうか?」
…ああ、こういうの苦手なのに。
「…足立さん。」
戻ってきた想さんの声は静かだけれど苛立ちを含んでいた。
「だって、想ちゃん。」
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