13 雪肌

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それでも静かな部屋が段々と暖まって来た頃には涙も乾いて、少し心も落ち着いてきた。 そうなると今度は一人ポツンと部屋に置かれている状況が寂しくて、不安になってくる。 …一人でいることが気楽だったり寂しくなったり、忙しいな、私。 はぁ、とため息が零れた時、玄関からカチャンという音がしてドアが開いた。 「…鈴さん?」 控えめに呼ぶ声がして、想さんが入ってくる。 「あ…」 思わず立ち上がり、視線を向けた先の想さんは、一度立ち止まるとじっと私を見つめた、と思う。 そしてゆっくりとソファを回り込んで私の前に立つと、長い腕を私の背中に回し胸に引き寄せた。 「…嬉しいです、居てくれて。」 ギュッと力が入りきつく抱きしめられる。 落ち着いてきていた気持ちがまた一気に揺れはじめ、鼓動が早くなる。 想さんの胸に密着する頬。 …初めて。 ああ、そうか、今はメガネ、かけてないから…。 頬が熱くて、胸がドキドキするけど、ホッとしている。 想さんはここに居るって。 「…コーヒー、入れますね。」 想さんの手が私の両腕を掴んで、温もりがそっと離れていった。 想さんを見上げた私の目に、それを寂しく思う気持ちは表れているだろうか。 想さんはそれに気付いてくれるだろうか…。 ・
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