13 雪肌

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「室長は、四月からの本社での僕のポジションです。“企画・デザイン室”の室長です。」 そう呼ばれるのはまだ恥ずかしいと言いながら、想さんは頷く私に微笑んで。 「後は僕から話しましょうか。」 「…はい。」 「足立さんは、企画・デザイン室のデザイン担当で、今から下準備を手伝ってくれています。」 今夜もその件で、と。 「足立さんとは腐れ縁で…」 一度言葉を切った想さん。 「いえ、そんな言葉で言うのは良くないですね。…彼女とは家が、実家が近所で幼なじみです。」 だから、想ちゃん。 「僕のどこが気に入ったのか、ずっと後を追いかけてきて、美術大も、まさか就職先までもとは、僕もビックリしました。」 想さん、美術大だったんだ。だからあのフレームのデザインもあんなに素敵なんだ。 …知らないことばかり。 「足立さんは想さんの事が本当に好きなんですね。」 呟くように出た私の言葉に少し微笑んだ想さんはコーヒーに手を伸ばし、一口飲むとそのまま両手でカップを包んだ。 「…何度も告白されて、その度に断って。でも一生懸命努力して、後を付いてくる彼女を無下にも出来ずにいるのは、小さい時から知っている妹のような存在だからです。」 「…でも、今の彼女は大人で、あんなに綺麗で、魅力的じゃないですか。」 ・
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