13 雪肌

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「…はい。」 肯く私の耳元で「ありがとう」と囁いた想さんは、私の体をそっと胸から離して顔を覗き込んだ。 私が顔を上げると、ちょっと残念そうな笑顔の想さん。 「でも、実は明後日から本社での会議や、何日かまた出張があるので…、次に会えるのは2月に入ってからになってしまいそうなんです。」 「もう、忙しくなってるんですね。」 「ええ…もう少し余裕があるかと思っていたのですが…。すみません、また連絡しますので。」 「はい、大丈夫です。無理しないで下さいね。」 暫く会えないんだ…と寂しく思いながらもそう言うと、 「僕は大丈夫じゃないんですけれど…」 と真面目な顔で返されてまた顔が赤くなる。 それから、直して貰ったメガネを忘れずに受け取り、途中で夕食を取って想さんの車でアパートまで送って貰った時にはもう11時を過ぎていた。 「ありがとうございました。」 「いいえ。遅くなってしまって。…鈴さん、」 「…はい。」 「…いえ。…また、連絡します。おやすみなさい。」 「はい。…おやすみなさい。」 この時の私は、まだ帰りたくないと、まだ想さんと一緒にいたいと、思っていて。 もう次に会う時の返事も決まっていて。 これからはこの気持ちは想さんだけに向かうのだと、思っていた。 ・
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