2 その日

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「あの、日吉さん?お仕事中申し訳ないのですが、少し鈴さんと話してもいいでしょうか?」 「は、はいっ、もちろんです。…じゃ、主任。」 まだ赤い顔のまま私を見た後想さんに会釈をして、菜々子ちゃんはレジの方へ体を向けた。 「ごめんね。また後で。」 「はーい。」 菜々子ちゃんの返事を聞いて私は想さんに視線を戻す。 「えっと…?」 「はい、まずはお預かりしていたメガネのレンズ交換が出来ましたので、そのお知らせです。今日帰りに寄っていただけますか?」 「はい。ありがとうございます。嬉しい。」 私の反応に想さんも嬉しそうに微笑んだ。 「それと、店長の奥様がいらしてるので、」 「笙子が?」 「はい。それで、夕食をご一緒にどうですか?と。」 ルックメガネの店長の奥様、とは、私の高校時代からの友達の笙子の事。 何回か私に付き合ってルックメガネに行っているうちに店長と…。 私が二人の愛のキューピッド役を見事果たしたということらしい。 だから私は普通のお客様とはちょっと違う立場になっていて、笙子が私を「鈴」と名前で呼ぶので、社員さんたちも私を「鈴さん」と呼んでくれてちょっとくすぐったい感じ。 「はい、もちろんです。笙子に会うの久しぶりだから楽しみです。今日は一応6時上がりなので、なるべく急いで行きますね。」 ・
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