1 日常

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「…なぁ、田上はコンタクトにしないの?」 「ん?」 午後2時を過ぎて人の数も減った社員食堂、 ちょうど箸で掬ったうどんを口に入れた所だった私は目線だけを上げて、目の前に座っている北島芳樹の顔を見た。 私の目つきがあまりに悪かったのか、一瞬変な顔をした彼は手にしていたコップの水を一口飲んでゴクンと喉を鳴らした。 温かい湯気で曇ってしまった私のメガネはテーブルの上にたたんで置いてある。 急いでうどんを飲み込んだ私は北島の質問に答える事にした。 「なんかさ、怖いんだよね。…異物が体に入るのが嫌、みたいな?」 もう絶対手がプルプル震えて入れらんないと思うわ~と言って笑うと、頬杖をついた北島は私の顔を見ながら「ふ~ん…」と返事をした。 そっちから聞いといてそんな感じ? まあいいけど、と思いながら言葉を続ける。 ・
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