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お酒が入ってちょっと酔った想さんは…えっと、何ていうか、かなり…ヤバい。
好いか悪いかで言うと、多分好い意味で。
いつもは控えめでキチンとしていて、あまり隙を見せない想さんが、少しだけ崩れた感じになる。
眼鏡屋さんでの定番になりつつある社員は全員メガネをかけるという決まり事の為に、想さんも目は悪くないのに仕事中は極上メガネ男子。
今はメガネなしの綺麗な目が少し潤んで何故か色っぽい。
口数も増えて、と言っても煩いわけではなく、微笑む口元が魅力的だ。
暑くなったからと上着を脱いで、VネックのTシャツになった時、近くのテーブルの女の子たちが「きゃあっ」と声を挙げた気持ちも良くわかる。
思わず笙子と顔を見合わせて苦笑すると、想さんは「何ですか?」というように私達を見つめてくるから目のやり場に困ってしまう。
「…そう言えば、今日鈴さんの所にお邪魔した時、」
「はい?」
お肉をつつきながら話し出した想さん。
丁寧な言葉使いは変わらない。
「お洒落な感じのイケメン店員さんにジッと見られていたような気がしたのですが、鈴さんの彼氏さんですか?」
「へ?」
「誰よ?」と笙子が肘で私の腕をツツく。
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