3 ルックメガネ

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「彼女さんなんですか?」 …へ? 「ち、違い…」 違いますよ、と言い切らない内に、グイッと想さんの手が私の腕を掴んで自分の隣に引き寄せた。 思わず見上げると、にっこりと笑った想さん。 「…大事な人です。」 …はぁ… そりゃあね、一言も、彼女だとか付き合ってるとかは言ってないし。 ルックメガネの、大事な、お客様なんだとは思うけど。 その台詞はすっごく語弊があると思う。 …酔った想さんは、ホントに、困る。 「ごめんなさい、鈴さん。」 「知りませんよっ。私は見知らぬ敵なんて作りたくないんですから。」 想さんの笑顔と返事に固まっていた女の子たちに、「違うから。彼女でも何でもないからね。」とキチンと訂正した私は即座にその場を後にした。 ずんずんと早足で歩く私を想さんの声が追いかけてくる。 ごめんさない、と言いながら、面白がってるようなその声のトーン。 会計を終えてその様子を見ていた店長と笙子も追いついてきた。 「まあまあ、鈴ちゃん。そう怒らないでよ。想も最近困っててさ。」 ・
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