3 ルックメガネ

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私はため息を吐くと歩くスピードを落とした。 想さんが横に並ぶ。 すぐ後ろに店長と笙子。 「…でも、私なん…、私じゃあ、想さんには釣り合いませんよ。」 「……」 「彼女に見えたから聞いてきたんじゃないの?」 想さんが何か言おうとしたようだったが、笙子が後ろから顔を出すようにそんな事を言ってくる。 「でも、実際違うんだから、誤解されるのは…嫌。」 「……ごめんさない、僕が調子に乗り過ぎました。でも、鈴さんは本当に大事な人だと思ってますから。」 「えっと…どんな意味でも嬉しいです。それに、想さんも私にとって大事な人で…感謝してます。」 想さんが驚いた顔で私を見下ろす。 「感謝…ですか?」 「はい、いろいろと…。」 想さんはきっと自分では分かってないと思うけど。 その後は何となく黙って歩いてルックメガネの前に着いた。 ルックメガネが入っているビルは二・三階部分が賃貸マンションになっていて、想さんは二階の一室を借りている。 店長も以前はここに住んでいたけれど、結婚を機に郊外に一戸建てを購入した。 「ローンもあるけどふたりで頑張るわ」って笑った笙子は幸せそうで、それは今も変わらない。 ・
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