4 過去の恋

2/13

1645人が本棚に入れています
本棚に追加
/335ページ
サイドミラーに映っていた想さんのシルエットが消えて、私は大きくため息を吐いて助手席のシートに体を預けた。 「どうしたの?」 「んー、何か今日は色々あって長い1日だったなぁ、と思って。」 「色々って?」 「…今度話すね。」 「まぁ、いいけど。」 そう言うと笙子は話題を変えてきた。 「そういえば、さっき話に出てた北島さんって、あの川口先輩と拗れた時の?」 「ん?そうだけど。でも北島は悪くないし、第一…先輩との事に自分が関わってたなんて分かってない筈だよ。」 川口先輩は私の元カレ。三年位前に付き合ってた。 大好きだったけど、私から別れを切り出した。 同じ高校の2学年上だった先輩…。 「そっか、先輩の事は知らないんだ。その北島さんとは今も仲良いの?」 「うん、同い年で同じフロアだしね。飲み仲間。それに今月から北島も主任になったんだ。」 「へえ…。後さ、気になったんだけど、想さんに感謝してるって?」 「あ、うん。」 それも先輩との過去の恋絡みなんだけど… やっぱり想さんも、その事は知らない。 ・
/335ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1645人が本棚に入れています
本棚に追加