4 過去の恋

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それは大変だね、と言った後、質問への返事をする。 「…してないよ。」 先輩と別れた後、どうにか立ち直ってきて、誘われて何度か合コンなるものにも出てみたけど… ―メガネ女子?ムリ。 …偶然聞いた笑いを含んだ声。 ―メガネってそそられるよね? …アナタをそそる為にメガネかけてる訳じゃ無いんですけど。 なかなか良い出逢いもなく今に至る。 「実はちょっと心配してるんだけど…。トラウマみたいなのになってないかって。」 ハンドルを握る笙子の横顔は真面目で、本当に心配してくれてるんだなと思う。 「大丈夫、と思う、多分。…あの時はもう心が受け付けなかったんだと思う。」 こんな話は正直恥ずかしいけど。 「私が、そうしたい、と思える人となら、大丈夫と思う、よ?」 「…うん。」 「なかなか出逢えそうも無いけど。」 自嘲気味に言う私に、笙子がチラリと視線を投げる。 「想さんは、違うの?」 答えに詰まる。 ・
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