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でも、落ち込んでいてもやるべき事はしっかりしなければ…。
昼間は接客しながら売場や商品を見直して、書類とかは少し残ってやっていこうと今日の予定をたてた。
「…なんか疲れた。」
事務所で売上動向を見たり、チラシの内容確認やらしているうちに、時計の針は9時を回っていた。
もう殆どの社員は帰った様で、パソコンの電源を落とすと、辺りが急に静かになる。
事務所の電気を消して、休憩室のロッカーの側の椅子に座るとつい独り言が漏れた。
メガネを外して、テーブルの上で組んだ腕に顔を埋めてしばしの休憩。
電車の時間までまだ余裕があるから、少しだけ…と思い目を閉じた。
どれ位時間が経ったのか、横に人の気配を感じて、はっと目を開ける。
…もしかして寝ちゃってた?
慌てて髪と口元を気にしながら体を起こし、横に立っているスーツ姿に目を向ける。
「あ、北島…。まだいたんだ。お疲れ様。」
「ああ、ちょっと売場直してた。…まだ落ち込んでるのか?」
「あー、うん、大丈夫。」
「まあ、そういう時もあるよ。今月また頑張れば。」
「…うん。」
そうなんだけど、先月の売り上げが良かった北島に言われると、なんだか…悔しいような気もして。
そう思ってしまう自分も嫌だ。
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