6 雑踏

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「…ごめんなさいっ。北島さんにその情報流したの、私です。」 菜々子ちゃんは申し訳なさそうに謝ってくれたけれど、その目は興味津々で私を見てる。 あの北島との一件から2日目の夜、私と菜々子ちゃんはファミレスで晩御飯を食べていた。 「主任、もしかして北島さんとケンカしたんですか?」 昼間こっそりと聞いてきた菜々子ちゃんに話をしてみたくなった。 菜々子ちゃんには彼氏がいて上手くいってるから、安心して話が出来る。 デパートは女性社員が多いから、同期の友達でもその手の話は迂闊には出来ない。 どこにどんな想いが潜んでるかわからないから。 特に北島は人気があるし。 菜々子ちゃんには、想さんの事を誤解した北島と口論になったと話した。 突然のキスの事は恥ずかしくて言えなくて。 「この前、北島さんとお昼一緒になった時に、藤野さんの話が出て、主任に焼き肉一緒に行った事聞いてたから、つい言っちゃったんです。」 「菜々子ちゃん…」 「だって、主任は鈍感だし、北島さん見てるとじれったくて…。」 やっぱり私が鈍感なの? …だけどね、北島。あれはダメだよ。 考えて考えて、目覚めた朝、出ていた一つの答え。 私、北島に対して怒っていい…はず。 いくら私が鈍感だとしても。 だからあれから仕事以外で北島とは口をきいていない。 ・
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