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「…ごめんなさいっ。北島さんにその情報流したの、私です。」
菜々子ちゃんは申し訳なさそうに謝ってくれたけれど、その目は興味津々で私を見てる。
あの北島との一件から2日目の夜、私と菜々子ちゃんはファミレスで晩御飯を食べていた。
「主任、もしかして北島さんとケンカしたんですか?」
昼間こっそりと聞いてきた菜々子ちゃんに話をしてみたくなった。
菜々子ちゃんには彼氏がいて上手くいってるから、安心して話が出来る。
デパートは女性社員が多いから、同期の友達でもその手の話は迂闊には出来ない。
どこにどんな想いが潜んでるかわからないから。
特に北島は人気があるし。
菜々子ちゃんには、想さんの事を誤解した北島と口論になったと話した。
突然のキスの事は恥ずかしくて言えなくて。
「この前、北島さんとお昼一緒になった時に、藤野さんの話が出て、主任に焼き肉一緒に行った事聞いてたから、つい言っちゃったんです。」
「菜々子ちゃん…」
「だって、主任は鈍感だし、北島さん見てるとじれったくて…。」
やっぱり私が鈍感なの?
…だけどね、北島。あれはダメだよ。
考えて考えて、目覚めた朝、出ていた一つの答え。
私、北島に対して怒っていい…はず。
いくら私が鈍感だとしても。
だからあれから仕事以外で北島とは口をきいていない。
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