6 雑踏

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「主任がそんな態度取るなんて、余程の事なんでしょうけど、少し落ち着いたら北島さんと話してみた方が…?」 「…うん、そのつもりではいる。」 早く飲みにでも行っていたらあんな事はなかったのかもしれないと思う。 違う風に悩んでいたかもしれないけれど。 「…はぁ」 ため息をつく私に「モテる女はツラいですね」と菜々子ちゃんが笑う。 「モテないし。モテてたら今頃お嫁行ってるし…」 「お嫁…って、主任、結婚願望あるんですか?」 …遠慮ないね、菜々子ちゃん。 「ハハ、ここ何年かは無かったかな。」 「ふふ、やっぱり?全然がっついてないですもんね。私の友達とかスゴイですよ、婚活、合コン…。」 そうだよね、年齢考えたらのんびりしてる場合じゃないのは分かってるけど…。 一口飲んだエスプレッソが苦い。 「何ていうか、自分をオススメする自信が無いっていうか…? 私と付き合ったり、結婚したとして、相手は幸せになれるのかなって。」 菜々子ちゃんはちょっと驚いたような顔をして、私が主任になる前の呼び方をした。 「あ~、もう、鈴先輩。」 ・
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