1 日常

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その日私が自宅アパートに帰り着いたのは10時を少し過ぎた頃。 デパートからは電車で一駅、徒歩合わせて30分程の通勤時間だ。 兄の結婚に合わせて3年前に出た実家は、ここから車でさらに20分程離れている田畑も多い長閑な地域にある。 最近お気に入りのコンビニのパスタでお腹を満たしてからお風呂に入る。 洗面台の鏡に映った自分の顔が「疲れたよ~」と言ってるみたい。 奥二重の目がさらに腫れぼったいような気がする。 湯船の中、温まった手のひらを閉じた目蓋に当てるとじんわりといい気持ち。 湯上がりにビールを飲んだ後、ベッドの中で読みかけのベストセラーの本を広げたけど…。 「駄目だ、眠い…。」 仕事がある日は大体こんな感じ。たまに同僚や学生時代からの友達と飲みに行ったり。 そんな日常。 ぽすっと枕に頭を埋める。 彼氏はいない。 ―――あのメガネ女子?ムリ。 ―――メガネってなんかそそられるよね ―――そんな目で他の男見るなよ ―――俺、結婚したんだ 恋愛は…よく分からなくなった。 …めんどくさい、かも。 も、寝る。 ・
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