6 雑踏

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私の中の想さんが変わっていく。 どうしたの、想さん。 …なんだか胸の奥が変。 「好人物、だな。磐田さん。」 声を掛けられて顔を上げると、斜め前を歩いていた筈の課長がいつの間にか隣に並んでいた。 「あ、はい。とっても好い人です。話、弾んでましたね?」 「ああ、磐田さんの人柄のお陰だろうな。最近の付き合いは仕事関係が殆どだから、こういう出会いは嬉しいよ。」 課長は殊の外楽しそうな顔をしている。 「なら良かったです。」 「それにしても随分親しいんだな?」 やっぱりそう思うよね。 「入社以来のお付き合いですし、実は私の一番の友達が店長と結婚したんです。」 流石に驚いている課長に、私が縁結んだんですよ、と笑うと、課長も微笑んでくれて、 …一瞬、見とれてしまった。 ダメなのに。 「彼は…」 慌てて目を逸らした私に言ったのか、独り言にも聞こえる声がして、もう一度視線を戻すと、私の顔を見ている課長と目が合った。 「え?」 今度は課長が視線を外して前を向く。 「あ、いや。…藤野くんだったかな。凄いイケメン、っていうか、うん、モデルみたいで驚いたよ。」 ・
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