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どうしても気になって姿を探してしまったり、ふとした表情や仕草にドキッとしてしまうこの状態を、ある言葉に置き換えてしまいそうになるけれど。
課長の心には大切にしている女性がいる事が分かった今は、なおさら出来ないし、しない方がいいと思ってる。
それに…自分でも理解出来ないけれど、一日に何回もメールの受信を確認してしまう、想さんからの『私用のメール』を待っている私も確かにいる。
想さんとの関係が崩れるのは怖いと思ってる筈なのに。
自分でも確かな気持ちなんて分からなくて、もうどうでもいいや…なんて、投げやりな私には、その言葉は口に出来ない。
そんな事を考えてたら、箸を持つ手が止まってたみたいで「どうしたの?」って、同僚の女の子に心配されて、苦笑いを返した。
だけど北島は違った。
次の日の夜。
「俺はずっと前から、田上の事が、好きなんだ。」
真っ直ぐにはっきりと、北島はその言葉を私にぶつけてきた。
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