7 仕切り直し

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北島の車の助手席に乗るのは久しぶり、と言ってもそれも数える程だけれど。 その内の一回があの夜だったな、とふと思い出す。 何か言いたそうにしている北島に、「食べてから聞いていい?」と提案して、後は専ら仕事や共通の友達の話などをしてやり過ごした。 お腹はちゃんと空いてたから、連れてきてくれた和食のお店のセットメニュー+αをしっかり戴いて。 デザートのあんみつとコーヒーを前に、しばらく黙っていた北島が口を開いた。 「ごめん。休憩室の事、本当に反省してる。」 テーブルにオデコが付きそうな位頭を下げながら。 「…うん。ちょっと怖かった、よ。」 「…ホント、ごめんっ!」 「うん。…分かった。もういいよ。」 私の言葉に顔を上げた北島は、ほっとしたような困ったような表情をしていた。 「ありがとう、田上。」 「うん。…私も悪かったのかも。」 「何で?」 「私、鈍感だった…?」 「あ~、まあ、な。でも悪いのは俺。」 そう言った北島は、真っ直ぐ私の目を見つめてきた。 「仕切り直し、させて欲しい。」 ・
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