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「やっと言えたから、もう自分の気持ち、隠さない。諦めないよ、俺。」
…え?仲直りして、元の仲の良い友達に戻る…んじゃなくて?
「ははっ、何その顔。」
「だ、だって…」
「田上、今、彼氏は居ないんだよな?」
「それは、」
…居ないけど。
「それに俺、まだ、嫌いとか、ゴメンナサイとか言われてないし。」
開き直ったのか何時もの少し強気な北島が戻ってきたみたい。
「仕切り直しだから、仲の良い同僚で飲み仲間、から始めるけど。」
そのままじゃ…ダメ?
「今までも告ろうと思ったんだよ、何度も。」
照れくさそうに話す北島。
「入社してお前と仲良くなって、自分の気持ちに気付いた時には、お前、高校の先輩とかいう人と付き合い始めて。別れたからって落ち込んで元気ないとこにつけ込むのも嫌で…」
あの頃…。
「元気になってきたな、と思ったら、今度は主任になってさ。」
「それって、何か関係ある…?」
「あるよ。俺はヒラだろ。男としてはさ。」
…分かるようで分からない。
「で、俺も主任になって、やっと並んだって。これからだって思ったのに。」
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