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約束通りに奢って貰った食事からの帰り道。
しっかりと前を向きハンドルを握る北島はいつもより落ち着いて見える。
北島みたいな人と相思相愛な恋が出来れば幸せなんだろうな…なんて思いながら視線を左側へと移す。
「この間…」
「ん?」
「課長と出張だっただろ?どうだった?」
「どうって…別に、普通、だったよ?」
…私が鈍臭いから手を繋いでくれたけど、それは秘密。
「あ、でも、北島の事心配してたよ。」
思い出したらちょっと悲しくなってきた。
「北島と何かあったのかって。それなりの理由はあるんだろうけど、北島は落ち込んでるから、気持ちを察してやれ、みたいな?」
「ふ~ん。」
…何?
「そんな言い方したんだ、あのヒト。」
フッと口角が上がる北島の横顔。
「ちょっと。課長の事、あのヒト、なんて…。」
「いいだろ、今は仕事中じゃないんだから。…それに別に課長の事を嫌いとかじゃないから、気にするなよ。」
でもなんだか北島らしくないと思う。
どこか好戦的…?
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