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結局家の中には電池はなかった。
つまり俺はこの地獄の中を15分歩いて電池を買いに行かなければいけない訳だ。
死活問題だ……こんなことならワイヤレスのマウスなんて買わなければよかった。
「仕方ない……行くか」
パンツ一丁だった俺は適当に短パンとTシャツに着替え、好きなアニメの曲が入ったipodを携帯して外にでた。玄関を開けた瞬間に感じた……ずっと外に出ていなかったら余計に感じる。
これが地球温暖化か!なんて暑いんだ、地獄というのは決してオーバーな表現ではなかったようだ。
しかしここで諦めるわけにはいかない、ギャルゲーの続きも気になる、人間自分の興味があることならこの地獄に身を投じてまでも成し遂げようとするものなんだな……ちょっと関心。
それからは憎たらしいくらいに照りつける太陽を睨み、はしゃいで下校する小学生たちに心の中で舌打ちを打ちながらコンビニに着いたのは家を出て20分ほど経ってからだった。誰だ……15分とか言ったのは。
一応次のことを考えて電池を4つと、汗をかいたのでレモンウォーターを購入。
あとは無事真っ直ぐ家まで帰還するだけなのだが、俺は変なポリシーがある、それはやむおえない限りは行きと帰りが同じ道を通らないというもの。ということで行きは田んぼ道だったが、帰りは線路沿いの道を歩くことにした。
しかしこれが失敗だった……なぜなら目の前の高架橋の縁から今にも線路に飛び込もうとしている女子高生を見てしまったからだ。
……俺は俺のポリシーを心底恨んだ。
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