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「きしせんぱーい!!」
この声を聞くと、1日が始まったなと感じるようになった今日この頃。
何故こんなになつかれるようになったのかなんて分からない。
まぁ、慕ってくれることは嬉しいとだ。
でも…
「岸先輩今日もかっこいいです!」
今みたいに、褒められる事があまりない俺にはなんか複雑な感じだ。いや、格好いいとか、女の子に言われるのは、凄く嬉しいことなんだけど、いつも風磨くんとかにいじられてるから複雑と言うか、変な感じがするんだよな…ちょっと調子が狂うというか…
「今日も先輩と登校できて嬉しいです♪」
「ありがとね。」
颯の頭を撫でながら言う。
「~せんぱーい!!」
「えっ?ちょっ、颯!こんなとこで抱きつかないの!」
「えー先輩の照れ屋さん♪」
「歩きにくいから!」
そんなやり取りをしていたら、気づけば校門の所まで来ていた。
「あっもう学校じゃん」
「えっもうついちゃったんですか!?もっと先輩といたいんで先輩の教室行って一緒に授業受けます!」
「ちゃんと自分の教室に行って授業受けてください。」
「ずっと先輩と一緒にいるなんて幸せです!!」
「あの…聞いてる?」
うん。全く聞いてないね…
「颯ちゃんおはよう。」
「あっ聡ちゃんおはよう!今日は先輩の教室で授業受けるから先生に言っといてね!」
「…何言ってるの!先輩に迷惑でしょ!ちゃんと教室行くよ!先輩毎回ご迷惑お掛けしてすみません。」
「えぇ~きーしーせーんーぱぁいー」
「・・・」
騒がしい登校時間。今日も1日が始まった。
でも、疲労感が半端ないのは気のせいだろうか?
きっと気のせいではないだろう…
「あっ教室行かなきゃ」
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