いらしゃいませ。

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「どうぞ」 俺は彼女を隅の、少しライトの暗いカウンター席へと案内した。 「すみません」 そう言って彼女はそっとそこに座る。 「…ご注文は?」 小皿にチョコやナッツを適当に載せて、彼女の前に差し出す。 「…嫌な事を、忘れられるカクテルを」 …冗談には聞こえない。 よほど、嫌な事があったんだろうか? 「…幸せな気持ちになれるカクテルなら」 彼女の表情が鬼気迫っていたので、思わず真逆の事を言っていた。
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