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「ここじゃ、いつもの自分でいいんでしょ?」
怜奈はそう言って、グラスを右手に持ち左手でコースターを持ち上げてみせた。
『usual』
「いつもの、自分でね」
「俺が店をしてる上で、ここに来る人には普段通りの自分で居て欲しいって意味でつけたからねー」
そう、usualとは、いつものとか普段のとかそういう意味がある。
「ちょっと、聞いてくれる!?」
怜奈はカウンターにコースターとグラスを置くと、突然話し始めた。
「なに、何かあった?」
にこっと笑って話を聞く。
小さな皿に、チョコやスナック菓子を適当に盛る。
ショットバーではお通し、突き出しの事をチャームと呼ぶ。
そっと怜奈の前に差し出す。
「それがね、この間から新人が入って来たんだけど…」
出されたスナック菓子をつまみながら彼女の愚痴が始まった。
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