1章 空

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1章 空

授業に出ても先生の声がスローモーションに聞こえてしまう私には何を言っているのか分からなかったから授業中は屋上に居ることが多くて 何をする訳でもなく、ただぼーっとしていた。 ばあちゃんに貰った棒付きのべっこう飴を口からだして空に向けてみる。 一回り程小さくなってしまったけれど太陽の光で透けて、すごく綺麗で左側に映った空も何故かいつもより綺麗に見えた。 「綺麗。」 ぽつりと呟いてみた。 当たり前だが、返事はない。…はずだった。
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