【第一章】皇子と執事は空を舞う

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「トーキョートッキョーキョキャキョクっ!」 最近一番気に入っているフレーズを彼は大声で叫んだ。 反響を促す高い建物は何もない、その声は空に拡散して消えた。 クロムの執事のワイバーンこと、ガンマは呑気な主人に溜息をつく。 「………東京……東京特許許可局ですよ、クロム様 何でもかんでも語尾を延ばさないでください、馬鹿だと思われます」 ガンマの冷たい言葉にクロムはふくれた。 しかし、すぐに言い返す。 「オレは決してバカではないし、『トーキョー』も『とうきょう』も大して変わらん。」 テンミリオンさえオレのものしてしまえば、この国はオレのものだ。」
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