【第一章】皇子と執事は空を舞う

5/36
前へ
/64ページ
次へ
「そうすれば、必然的にこの名前の設定権もオレのものになる。 トーキョーだろうがサイキョーだろうが好きな名前に変えてやるわっ!」 美しい顔に似合わず、かっかと笑うクロム。 そしてまた、「トーキョートッキョーキョキャキョキュっ!」と叫んだ。 ガンマは再び大きな溜息をつく。 口から吐き出された生暖かい溜め息は、周囲の気流を乱した。 左の翼が気流から外れ、ガンマの体は大きく傾いた。 「うをうっ!」 と、叫び声をあげ、バランスを崩したクロム。 前のめりにそのきれいな顔をガンマの背中に打ち付けた。
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加