【第一章】皇子と執事は空を舞う

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ガンマはもともと帝国飛竜軍の四番隊隊長で渓谷地帯を担当していた。 軍人としての実力もさながら、部下からも慕われる存在であった。 その人望を見込まれ、10年前にクロムの父から目付け役を頼まれた。 当然、帝王直々の頼み、ガンマが断れるはずもなくすぐに承諾した。 そして、当時から帝国の皇子にあるまじきありとあらゆる問題……特に知力と精神年齢に関する問題を抱えていたクロムの執事に就任したのだった。 ガンマがクロムの執事として10年を経るうちに学んだことは、これほどまでに矯正不可能な存在がこの世にいるのだということ。 最近の悩みは、異常なほどに翼にハリやツヤがなくなって、ささくれが大量にできたことだ。
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