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「おじさん、物知りだね。」
と、私が言うと、
「物知り…かもね。
でも、知り過ぎると駄目なんだよ。
半分知っていて、半分わからない方が良いんだよ。」
と、言うとその男の人は、キャンバスをたたみ、荷物を片付けると、川上の方へ歩いて行ってしまった。
私は何だか寂しくなり、走って家に帰ると、母さんにこの話を話した。
「ふーん。
そんな事を言う人がいるなんて、今どき珍しいわね。」
と、言っただけだった。
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