桜の咲く頃

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「行ってらっしゃい。」 「行ってくるね、祐志。」 「待ってっから。」 医者になりたい。 だからあたしはこんな田舎の専門学校より、都会にある専門学校に行こうと思った。 それがきっかけで、あたしはこの春から一人暮らしをすることになった。 「真唯、待ってるから。」 「うん。」 医者を目指すようになったのは、お父さんが病気で死んじゃったっていうのもあるし、今あたしの目の前にいる祐志が、あたしの彼が病気だったからっていうのもある。 そんなに深刻じゃないらしいけど、治療法もないらしく…でも確実に言えること。 『このまま放っておけば、早くに亡くなるのは確実でしょう。』 まだ未知の病は、なんの確証もない。
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