■01:捜索

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悠「なんだ…三里か」 耳元でいきなり叫ばれ、俺はビックリして飛び起きる。 三「なんだ、じゃないよ。もう7:30だよ、登校20分前。早く着替えて、朝ご飯食べるんだよ」 悠「…ふぅ……、ああ…」 目覚ましにも気付かず。 俺がこうやって三里に叩き起こされるのは、珍しいことではない。 むしろ昨日のように時間ちょうどに起きられたのが、逆に珍しいくらい。 弥「いってらっしゃい」 悠「行ってきます」 こんな風に眠い目を擦りながら登校するようになったのは、だいたい半年前から。 というのも… 三「またダメだったんだよね…。昨晩の“捜索”」 悠「ああ」 捜索。 文字通り、さがしもの。 俺はある人を捜している。 毎晩毎晩、あの時間帯に。 正確には時間帯ではなく…その“時間”にと言った方が正しいか。 実際、現実にはほとんど時間はかかっていない。 しかし、走り回って疲れることには変わりない。 睡眠は足りているとはいえ、体の疲労は抜けきっていない。 それを半年も繰り返している。 倦怠感を抱えたままの登校は未だに慣れないものだ。
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