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悠「なんだ…三里か」
耳元でいきなり叫ばれ、俺はビックリして飛び起きる。
三「なんだ、じゃないよ。もう7:30だよ、登校20分前。早く着替えて、朝ご飯食べるんだよ」
悠「…ふぅ……、ああ…」
目覚ましにも気付かず。
俺がこうやって三里に叩き起こされるのは、珍しいことではない。
むしろ昨日のように時間ちょうどに起きられたのが、逆に珍しいくらい。
弥「いってらっしゃい」
悠「行ってきます」
こんな風に眠い目を擦りながら登校するようになったのは、だいたい半年前から。
というのも…
三「またダメだったんだよね…。昨晩の“捜索”」
悠「ああ」
捜索。
文字通り、さがしもの。
俺はある人を捜している。
毎晩毎晩、あの時間帯に。
正確には時間帯ではなく…その“時間”にと言った方が正しいか。
実際、現実にはほとんど時間はかかっていない。
しかし、走り回って疲れることには変わりない。
睡眠は足りているとはいえ、体の疲労は抜けきっていない。
それを半年も繰り返している。
倦怠感を抱えたままの登校は未だに慣れないものだ。
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