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悠「一昨日の分の時計は問題なかったか?」
三「うん。ちゃんと全部直ってたよ。さすが悠紀だよね」
悠「別に。毎日同じ事やってるから、慣れてるだけだ」
時計というのは、修理した時計のこと。
俺たちの住む時計店には、連日のように時計の修理依頼が舞い込む。
その種類は腕時計やゼンマイ時計や、大人の背丈ほどある大きいものまで。
種類、大きさ問わず、普段俺はそれら全ての修理に携わっている。
それが一昨日の分は、全てきちんと修理できていた、ということだ。
さすがに1人ではでなく、時計店を営んでいて多少の知識がある弥刀さんや、手の空いた時に三里にも手伝ってもらってはいる。
しかし実質修理そのものをしているのは、細かい作業が得意な俺だ。
修理をする理由は二つある。
一つは、毎日時計店に住まわせてもらっている弥刀さんへ、普段の感謝の意味で。
もう一つは、“捜索”のために。
もちろん後者の理由の方が大きい。
元々修理依頼を受け付けていなかった時計店で、俺が案を出して今の状態になったくらいだ。
それほどこの時計の修理というのは、重要な意味をなす。
三「時間、集めなくちゃだもんね」
悠「ああ。もっともっとな。また配達お願いするよ」
三「うん」
こうして修理された時計は、三里が週末にまとめて依頼主の元へ返却してまわる予定になっている。
わざわざ配達せずとも取りに来て貰えばいいのだが、その方がサービスとして満足してもらえるし、リピーターも新規顧客も増えるからという三里自身からの発案だった。
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