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悠「最近体はどうだ? 無理はしてないか?」
三「どうもないよ。風邪ひいたりもしてないんだよ。どうしたの?」
悠「いや、お前にいつも迷惑かけてるからさ。代わりにと言っちゃあなんだけど、何か困ったことがあったら言ってくれ」
三「ありがとう悠紀。でも私は大丈夫なんだよ」
悠「そうか」
三「…………」
三里は本当にいい奴だ。
俺と違って明るくて元気で、誰に対しても優しくて頑張り屋さん。
でも彼女が俺たち以外の誰かと話している姿は見たことがない。
同じ学年にそういう友達がいないように思える。
…分かっている。
それは彼女が俺のために自分の時間を捨てているからだ。
いつも疑問に感じているが、どうしてここまで俺なんかのために頑張ってくれるのだろう。
毎日食事の準備、学校、配達、俺の諸々の手伝いまで。
自分の時間なんてほとんど無いはずなのに。まるでそうする事が使命であるように…。
彼女がそれを苦と感じるなら、俺は申し訳ないことをしてしまっている。
何か我慢していることがあるのか、俺の問いに目線を外す。でもすぐにいつもの明るい顔に戻る。
三「さあ、急ごう。学校に遅刻するよ」
そして俺の腕を引き、元気に駆け出す。
三里にはかなり普段をかけているのが分かる。
…いつか彼女にも、普段の恩返しをしてやらなくちゃいけない。
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