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学校。
退屈だ。
学校は今学年末試験まで一ヶ月を切っているということで、回数を満たした授業は特別補講に入っている。
今日は全てがその補講授業。
しかし俺は今まで授業の内容が頭に入っていなかったせいで、今日の補講も微塵に理解できない。
悠「やべぇ…」
なぜ内容が頭に入ってこないのか。
脳内を満たすのは、やはり“捜索”のこと。
問題の未解決は心配を生む。それが俺を支配する。
その意識からだろうか。
…長針の動きが遅い。
俺は特別長く時間を感じ取れる体質らしい。
死神のアールにも、以前にそんなことを言われた気がする。
とまあ、色々不安はあるが。
今はとりあえず、来月に差し迫った試験の対策をどうにかせねば。
俺が単位を落として留年なんて、親も三里も弥刀さんも芹也も、…何よりあの俺に“捜索”されている彼女も、きっと望んじゃいないだろう。
このままじゃまずい。
誰かに勉強が分かる奴に聞かないと…。
?「…おい悠紀、聞いているか? 授業中だぞ、起きろ!」
悠「……はい」
とは頭では思っているが。
やはり内容が理解できないと眠くなってしまう。
授業とはそういうものだ。
机に突っ伏していた俺は、担任注意されて起こされる。
?「桐矢。後で職員室だ。お前にはちょっと話がある」
◆◆◆◆人物◆◆◆◆
桐矢(きりや)=桐矢 悠紀
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