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?「ねぇ。悠紀って、死神の話知ってる?」
悠「死神ってあの、でっかい鎌を持った死神か? 最近クラスで噂になってるやつだよな。よく知らねーけど」
?「うん。隣町の天宮学園の時計塔に出るっていう。白くて長い髪で、紅い眼をしてて、鎌じゃなくておっきなハサミを持ってるの」
悠「…信じらんねーな。漫画みたいだ」
?「私は信じてるよ。だって、お話したことあるもん」
悠「話を? どんな?」
?「死神は何百年も生きてるんだよ。でも死神は人間じゃない。人間じゃないから、いつか人間になるんだって」
悠「なんだよそれ。なんで死神が人間なんかになりたいんだよ」
?「それはよくわからないけど…でも凄くなりたがってた。だから私も、その死神に協力することにしたの」
悠「協力って、どんな…?」
?「それはね…」
――――――――――――
▼2月4日(火)
ピピピピピピ…
悠「ふあ…」
目が覚める。
住み慣れた時計店の屋根裏部屋。その見慣れた天井が目に入る。
外は真っ白雪景色。2月の寒い朝。清々しい朝だ。
でもすっきりはしない。
俺は目覚まし時計を黙らせ、まだ寝ている体を起こしながら着替え、一階へ降りる。
◆◆◆◆人物◆◆◆◆
悠紀(ゆうき)
◆◆◆◆用語◆◆◆◆
天宮学園(てんぐうがくえん)
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